Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

“休憩”に対する考え方

今日もお疲れさまです。 勉強、スポーツ、仕事…。 これらの人間活動において、よく推奨されるのが、“細かな休憩” です。 「勉強は180分続けるより、30分おきに5分休むべき」など聞いたことがあると思います。 “細かな休憩” は、“効率” を重視した論理的で科…

センスとロジックの絶妙な関係

今日もお疲れさまです。 友人のファションを見たり、友人の私物を見たりして、 「センスが良い」とか「センスがちょっと…」など話題にすることはないでしょうか。 この「センス」のあるなしは、生まれ持ったもののように感じてしまいますよね。 お洒落な人は…

検索は、世界からイメージを消していく

今日もお疲れさまです。 思い出は、五感のそれぞれに残っていきます。 その中でも視覚、すなわちイメージが、記憶の大きなウエイトを占めます。 幼い頃、学生の頃、働きはじめた頃、それぞれで見てきたモノを人は覚えています。 おじいちゃんに造ってもらっ…

自然の美と争う無意味

今日もお疲れさまです。 朝陽に夕陽、色とりどりの花、澄んだ空気に輝く星々…。 自然が生み出す美は、心を揺り動かす美しいものです。 “美” といえば、 『美術』という言葉は、“美” という漢字を持っています。 そのためか、“美” を表現するのが義務付けられ…

鉛筆1本に見える、資本主義の “光と影”

今日もお疲れさまです。 デッサンの勉強を本格的にはじめるとき、その鉛筆の種類の多さに驚いたかと思います。 ここでいう種類とはメーカーのことではなく、“濃さ” のことです。 9Hから、EEまで。 鉛筆を使う側としては、 「全部を使わないと、良いデッサン…

忘れてはいけない、最高の報酬

今日もお疲れさまです。 『自分へのご褒美』という言葉があります。 頑張った自分に対して、何かを買ってあげる。ということですね。 「欲しいものを、頑張った報酬として手に入れる」ということでもあります。 確かに、“頑張った自分” は報酬を与えるに値す…

絵画初心者が、 “黒” を使ってはいけない理由

今日もお疲れさまです。初心者が色を使って、絵画を描き進めるときに注意しなくてはならないことがあります。それは、“黒を安易に使ってはいけない” ということです。なぜ、黒を使ってはいけないか。“黒は『無』” だからです。黒は、一切の光がない、完全な…

多くの作品を見なくてはならない、本当の理由

今日もお疲れさまです。 アート関係の学校などで指導を受ける際、多くの、色んな作品を見るように言われたことがあると思います。 多くの作品を見ると、アーティストの国籍や時代を超えて、作品の良し悪しがわかるようになります。 たとえば、マチスの線の素…

遺伝と環境の関係は、半永久的に謎

今日もお疲れさまです。身体には、人それぞれ特徴があります。メンデルの法則ににあるように、身体の特徴は、親から子へ引き継がれます。肌や髪や目の色、背の高さ、顔の造形…。では、思考や性格は親から子へ引き継がれるのでしょうか。メンデルの法則では、…

アーティストは贅沢したらダメになる、は本当か

今日もお疲れさまです。 ギャラリストが座談会をしたある書籍で、次のような趣旨のことが語り合われていました。 「アーティストは作品が売れて、贅沢するようになったらダメだよね」 アーティストは、通常生活以上の収入を得ると、良い作品が作れなくなる。…

アーティストに、情報収集は必要か

今日もお疲れさまです。アーティストにとって情報収集は必要でしょうか。世の中の動向、最新のアート業界の動向、映画や小説やファッションなどのカルチャー…どの情報も、「必要性」を考えれば考えるほど、必要な気がしてきます。世の中の動向を知らなければ…

油絵初心者の、最重要事項

今日もお疲れさまです。油絵をはじめたばかりの人にとって、乾きにくい油絵具を扱うことは、面白さであり、難しさでもあります。画面で油絵具が混ざり合い、変化していくさまは魅力的で、油絵の楽しさです。一方で、混ざり合いが進み過ぎると、色が濁ってし…

“白の使い方が、プロとアマを分ける” は、本当か。

今日もお疲れ様です。30年近く前の、油絵を指南する書籍に、印象的な言葉がありました。それは、 “白の使い方が、プロとアマを分ける” という言葉です。日本画壇の大御所の言葉で、その言葉を読んだ当時、「そうだったのか!」と感心したのを覚えています…

“個人的な夢の実現” と“他人から見た夢の実現”

今日もお疲れ様です。 “夢を叶える” という言葉があります。 この言葉は、実現が困難な個人の強い希望が、現実になることです。 この言葉は、誰もが自由に使っている言葉です。 しかし、この場合の“夢” という言葉の意味は “個人用” と “他人用” と二つがあ…

伊藤若冲の作品が古びない、3つの理由

今日もお疲れさまです。 日本の絵画作品で、一世紀以上前の作品(19世紀以前)は、たいてい “時代” がわかってしまいます。 簡単にいうと、“古さ” を感じます。 しかし、江戸時代中期の絵師、伊藤若冲の作品は異なります。 他の江戸時代の作品と異なり、時…

好きなコトの中の嫌いなコト

今日もお疲れさまです。 ビジネス書や自己啓発書では、よく「好きなコトを仕事にすべき」という意見が展開されています。 その主な理由としては、 「好きなコトを仕事にするから、続けられるし、うまくいく。」という理屈が書かれています。 この言い回し、…

“自分との約束” より “他人との約束”

今日もお疲れさまです。当たり前ですが、社会に生きる人間にとって “他人との約束” はとても重要です。友人との待ち合わせ時刻にはじまり、顧客への納品期日、飲食店であれば美味しく安全なものを提供する、どれも非常に重要な約束ですね。一方、自分自身へ…

生命とイメージの繁殖

今日もお疲れさまです。 フェデリコ・エレーロさんの絵画は、小さな色面の単位と、小さな生き物のようなものが、一緒に描かれています。 色面はカラフルでポップです。生き物もキュートなキャラクターのようです。 ◼︎ワタリウム美術館HP http://www.watarium…

ドラえもんと孫悟空の、落書きが意味するもの

今日もお疲れさまです。子どもの頃、運動や勉強、工作をしたりした結果、大人や周りの友人などから、「才能があるね」と言われたことはないでしょうか。言われると、何かお墨付きを貰ったように、うれしくなったかと思います。昔からアトレスは、この “才能”…

教育機関で、“模写” が実施されない理由

今日もお疲れさまです。 前回のエントリーでは、“自然の模写(超写実)”、“作品の模写” の重要性を描きました。 重要にもかかわらず、実はこの二つ、教育機関ではあまり実施されていません。 なぜでしょうか。 一つには、“効果の高さが認知されていない” と…

自分と人間の限界を知る訓練

今日もお疲れさまです。 作品を鑑賞した時に、「スゴい作品だ!でも、自分にはできないだろうな」などと考えたことはないでしょうか。 憧れた作品のような技術が習得できるかは、やってみなくては分かりません。 絵画を続けていく上では、自分の力の可能性、…

俯瞰、という武器

今日もお疲れさまです。 前回のエントリーでは、静物画を学習する重要性を書きました。 今回は、静物画で学べる要素の一つ、“俯瞰(ふかん)” について書いていきます。 そもそも“俯瞰(ふかん)” とは、鳥が上空から地上の景色を眺めるように、真上から全体…

静物画で学べる重要なこと

今日もお疲れさまです。 絵画を学ぶ時、静物画を描くことがあります。 静物画は、適度なサイズの日用品モチーフを複数で組み合わせ、一つの台上にセッティングされたものです。 西洋画の歴史で静物画が出てきたのは、当時の生活の記録を残したり、訴えたいこ…

“悔しい”は自分だけの実現レーダー

子どもや学生の頃、何かに失敗すると、周囲から「悔しさをバネに頑張りなさい」と言われたことはありませんか。 この言葉は、“悔しい” と思う気持ちをエネルギーにして、またチャレンジしなさい。ということです。 もちろん、またチャレンジするにはエネルギ…

サイエンスとアートの共通点、相違点

今日もお疲れさまです。 アトレスは幼少の頃、科学に携わる研究者になるのが、将来の目標でした。 昆虫採集や工作、理科の実験などが好きだったからです。 いつの間にか、工作とともに好きだった絵画を続けていくうち、 科学への道は自然と消えていき、芸術…

奈良美智さんが、一般の人にも、専門家にも評価される理由

今日もお疲れさまです。 奈良美智さんは、一般の人にも評価され、専門家にも評価されているアーティストです。 “目つきのわるい子どもシリーズ” がメインですね。 専門家に評価されているといっても、国内の専門家だけでなく、海外の専門家まで評価されてい…

“コンセプト” を優先するリスク

今日もお疲れさまです。 コンセプトが重要であることは、以前のエントリーでも書きました。 (過去エントリー:「現代アートの条件、 “コンセプト” の効果 」「セザンヌのコンセプト」) しかし、コンセプトを重視し過ぎると、鑑賞にとって “わかりにくい” …

少女が失った輪郭は、鑑賞者が失った記憶

今日もお疲れ様です。 イケムラレイコさんの『横たわる少女』シリーズは、輪郭の失われた少女が描かれています。 (『東京国立近代美術HP』http://www.momat.go.jp/Honkan/Leiko_Ikemura/sideb/ ) 少女は、うつむきで横たわっています。 背景は単色で描かれ…

そして、彼女は「なりたい」より「られたい」を選んだ

今日もお疲れさまです。 誰もが知る絵本を書く、有名作家のインタビュー記事を拝見しました。 彼女は、「本当はデザイナーになりたかった」そうです。 「本当はデザイナーになりたかった」という話を聞くと、「いやいや、絵本で売れたんだから、全然良いので…

神は省略にも宿る

今日もお疲れさまです。 前回のエントリーで、「神は細部に宿る」の偏った解釈のされ方について、書きました。 “細部は細かく描き込まなくてならない” という解釈です。 今回は、細部をあえて省略する重要性について、絵画作品に絞って書きたいと思います。 …