Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

セザンヌのコンセプト

今日もお疲れさまです。 昨日のエントリーに引き続き、「コンセプト」について取り扱います。 今日は、コンセプトの具体事例についてです。 タイトルをご覧になり、 「コンセプトが重要っていうけど、セザンヌは現代アートじゃないし」 と思われたかも知れま…

現代アートの条件、 “コンセプト” の効果

今日もお疲れ様です。 現代アート作品には、コンセプトが必要です。 なぜ必要か。それは、作品の価値を高めるのに大きな効果があるからです。 コンセプトのない作品は “見た目” だけで勝負する作品となってしまいがちです。 そしてコンセプトがある作品は、…

自分の絵の善し悪しを、判断する基準

今日もお疲れ様です。 制作中、または完成した絵画が、良いか悪いかを判断するのは難しいものです。 なぜなら、制作中や完成直後は以下の2点をともなうからです。 (1)制作中は、制作中の作品に一番思い入れがある 制作者は基本的には、新しい作品が一番…

現代アートは歴史に残った作品と渡り合えるか

今日もお疲れさまです。現代アート作品は、過去から現代まで残る、歴史ある芸術品に対抗できるでしょうか。ある方は、歴史ある芸術品と比べ、現代アート作品が今ひとつである、と述べていました。理由は、「作品制作に奴隷が使えない」ということでした。つ…

作品レベルを上げる、量産体制

今日もお疲れさまです。 作品の質を上げる重要な要素として、枚数をこなすことが挙げられます。 そして漫然と枚数を増やすのではなく、量産することをオススメします。 もちろん、適当に作品数を増やすのでは効果は少ないでしょう。 考え抜いた一つ一つを、…

好かれる絵、嫌われる絵

今日もお疲れさまです。 アーティストによっては、自分の絵が人に好かれるか、あるいは嫌われるか、 を気にしながら制作しています。 しかし、世の中には、好かれる絵と嫌われる絵は存在します。 そして作品を完成させた瞬間から、その絵は“好かれる絵であり…

配色を決めるタイミング

今日もお疲れさまです。 絵画の制作には、必ず色彩がともないます。 そのため作品をどんな色合いで仕上げるか、悩まれる方もいらっしゃるかと思います。 特別な思い入れのある色はない、とびきり好きな色もない…。 それは決して、おかしいことではありません…

ディテールレベルの考え方

今日もお疲れさまです。 作品を完成させるには、どこまで細かく描くか検討が必要になります。 ここでは “ディテールレベル” と呼びます。 なぜディテールレベルの検討が必要か。 それは、作品によって最適なディテールレベルが異なるからです。 ディテールレ…

誰もがヘンリー・ダーガーのようにはいかない

今日もお疲れさまです。 制作した作品を、世に一枚でも多く残したいと考えるアーティストは、多いと思います。 そんな考えを持つアーティストが、決まっていわれるフレーズがあります。 「芸術家は、死んでから有名になるからね」 良く聞くフレーズです。 励…

草間彌生さんの作品は、鑑賞者も護っている

今日もお疲れ様です。 今日は草間彌生さんの誕生日ということで、草間彌生さんの作品について書きます。 草間彌生さんと聞くと、誰もがあの「水玉」や「水玉のカボチャ」を思い浮かべるのではないでしょうか。 あの「水玉」表現は、すでに草間さんが子どもの…

制作中の「偶然効果」をどこまで取り入れるか

今日もお疲れ様です。 制作をしていると必ず、「偶然」の要素にたくさん出会うことになります。 制作途中で、タッチのかすれ具合、絵具のにじみ、さまざまな要素で意図しない「偶然」が起こります。 その「偶然効果」により、作品が劇的によく見えることがあ…

クロッキーの繰り返しで、得られるもの

今日もお疲れさまです。 アトレスは高校時代に美術予備校で、「効果」など考えず、ただ漠然とクロッキーを描いていました。 人物デッサンや、人物油彩、それらの本制作前にクロッキーを描くよう指導を受けたからです。 しかし、ある程度枚数を重ねると、 “絵…

アートを続けるために必要なもの

今日もお疲れさまです。 アートを続けるには、目標を持つことが大切です。 目標をもてば、少なくともその目標を達成するまでは、制作を続けることができるからです。 「海外の有名美術館で展示する」 「美術手帖にすこし掲載される」 「知人以外に作品を買っ…

世界で勝負する作品に、 “日本固有のもの” は必要か

今日もお疲れさまです。 日本人アーティストが現代アートの世界舞台で活躍するために、作品に「日本固有のもの」が含まれている必要があるかを検討します。 まず、世界で活躍するアーティストから、作品に「自国固有のもの」が含まれている方をピックアップ…

「良さがわからないから、何が良いのか考えられる」コメント

今日もお疲れさまです。 先日見た、テレビのある美術番組です。 番組内では、画家と作品を紹介していました。 ある画家の作品に、ゲストのアーティストがこうコメントしました。 「良さがわからない」 番組の紹介作品を否定したわけです。 問題なのは、「否…

モナ・リザは視覚体験できない

今日もお疲れ様です。 世界でもっとも有名な絵画として知られる『モナ・リザ』。 想像の余地をもたせる表情、幻想的な背景、緻密な描写とやわらかい描写のバランス、あらゆる絵画的要素が最上級のレベルです。 一般の人が見ても、専門家が見ても、「素敵な作…

子どもが描く絵の評価

今日もお疲れさまです。 「子どもの絵はすばらしい」という話をよく聞きます。 確かに、子どもが描いた絵ですばらしい作品はたくさんあります。 しかしアトレスは、子どもの絵を無条件に「すばらしい」とは考えません。 子どもの絵で「すばらしい」作品には…

アーティストは、毎日制作すべきか

今日もお疲れさまです。 アーティストは常に制作をしていないと不安です。 作品を多く残すことが重要と無意識に考えているため、一日でも手を止めることは“後れを取る” と感じてしまうのです。 つまり、毎日制作しなければならない、と考えるようになります…

町田久美さんの仕掛ける、忌々しき謎

今日もお疲れさまです。 現代アートには、作品を一瞬でも見ると、そのままずっと見続けてしまう作品があります。 まるで、視線が接着剤で画面にくっついたかのように。 ずっと見続けてしまうということは、作品に “魅力” があるということです。 そして魅力…

制作における、インプットとアウトプットの比率

今日もお疲れさまです。 制作において、自分だけの表現をするために、 ・何をどれ位学べば良いか ・モノゴトにどこまで興味を持つ必要があるか を考えることがあると思います。 要は、アウトプットに対して、インプットはどれ位必要か、を考えるわけです。 …

現代絵画の条件 “視点の誘導” の効果

今日もお疲れさまです。 現代絵画において “必要と思われている” 、「視点の誘導」について検討します。 まず、なぜ重要視されるかです。 現代絵画は画面の構成要素が増え続けていて、“鑑賞者が共有する要素” の割合が減少しています。 「画面の構成要素が増…

歴史から作風を探すことについて

今日もお疲れさまです。アーティストは、“自分の作風”を確立しようとします。そのために、様々な苦労がともないます。なぜなら、作風の確立とは、他のアーティストがやっていないオリジナル作品を制作していくことだからです。その際、「過去の歴史を学び、…

作品をアップグレードする方法

今日もお疲れさまです。 作品を制作し続けていると、“似た作品” が多くなってしまうことがあります。 その場合、「作品を大幅に変えたい」と思うようになるのですが、 「何を」「どこまで」変えるのか、を悩まれるアーティストも多いでしょう。 しかし、作品…

森村泰昌さんの、自我と民族を超える旅

今日もお疲れさまです。 森村泰昌さんは、ポートレート写真を制作する現代アーティストです。 彼は、日本のシミュレーショニズムアートの第一人者といえるでしょう。 シュミレーショニズムとは、80年代にアメリカで広がった運動で、既成の大衆芸術のイメー…

日本画の独自性

今日もお疲れさまです。 「日本画」と聞くと、古来より続く、日本独自の絵画表現という印象があります。 岩絵具や胡粉で描かれた、様々な色の粒子で織りなす繊細な画面作りが特徴です。 しかし、アトレスは「日本画」が“古来より続く” という“印象”に違和感…

絵画はコミュニケーションツールなのか

今日もお疲れさまです。 「絵画はコミュニケーションツール」 という意見を聞くことがあります。 コミュニケーションツールとは、コトバンクによると 「意思や情報を伝達する道具」 とあります。 確かに絵画はアーティストの意思や情報を、鑑賞者に伝達する…

【美術館関係者の方】“鑑賞時間”表記義務を提言します

今日もお疲れ様です。 展覧会を鑑賞する時、いくらでも時間をかけられる場合もありますが、次の予定があり、 鑑賞時間が限られている場合があります。 その場合、予想外に点数が多く鑑賞に時間がかかると、焦ってしまいます。 急いで鑑賞してしまい、後半の…

〆切が作品におよぼすもの

今日もお疲れさまです。 個展やグループ展など、展示には締め切りがつきものです。 直前にせまって、ようやく制作をはじめるアーティストもいるでしょう。 さて、締め切りギリギリから制作することは問題でしょうか。 アトレスは、全く問題ないと考えていま…

絵は枯れるのか

今日もお疲れさまです。 一度うまくいった構図、モチーフで同じように次の作品を仕上げようとすると 同じようにうまく再現できないことがあります。 うまくいかない場合、大抵は“足りない感じ”に仕上がってしまいます。 俗にいう、「絵が枯れる」という状態…

アーティストになれる、なれない、はどうでもいいこと

今日もお疲れさまです。 作品があまり売れていない、多くのアート作品制作者は、 「アーティストになりたい」と考えています。 それは、“自称アーティスト” ではなく、作品が継続的に売れ、世間が認めるアーティストのことです。 作品を売ってご飯を食べてい…