Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

“未来派” の限界を考える

今日もお疲れさまです。 20世紀初頭に興った『未来派』という美術の流派があります。 都市などの “未来の姿”、人間や動物や景色の “運動” を描いた流派です。 一つの絵画の中で、一つのモチーフの “多数の運動” が入った絵画は、とても魅力的です。 アトレ…

「日本画科」「油絵(油画)科」という名称を考え直してみる

今日もお疲れさまです。 美術系の大学では、「日本画科」と「油絵(油画)科」があります。 「日本画科」は日本画を専攻し、「油絵(油画)科」は油絵を専攻する。ということですね。 この二つの名称ですが、そろそろ(というかとっくに)替えるべきではない…

原色を使ってはいけない、は本当か

今日もお疲れさまです。 水彩画や油彩画などの制作で、絵の具をチューブから出したままの色を「原色」といいます。 この「原色」を、他の絵の具と混ぜたりせず、そのまま画面に使用すると、指導者から言われる言葉があります。 それが、「原色を使ってはいけ…

絵画作品は「保存」と「展示」どちらを優先すべきか

今日もお疲れさまです。 美術館などに展示される絵画作品の名作は、「展示」と「保存」どちらを優先すべきでしょうか。 絵画作品は、展示しながら保存できればベストですが、普通の展示方法では両立は厳しいでしょう。 作品を「保存」すれば、後世まで作品を…

価値をめぐる、西欧社会と日本の根本的な差

今日もお疲れさまです。 あるベテラングラフィックデザイナーが、ある対談本で次のような趣旨のコメントをしていました。 「ピカソが描いた紙切れが何億円で売られている西欧社会は馬鹿げている。自分はデザイナーで良かった。」 というようなコメントです。…

“言い訳” が意味するもの

今日もお疲れさまです。 人生は、なかなか思い通りにいきません。 そんなとき、何かができない時、人は “言い訳” を口にすることがあります。 そして、周囲の人はその言い訳に対し、「言い訳するな」と否定します。 そう。世間的に、言い訳は “悪いもの” な…

“現実世界そのもの” を変えるアーティスト

今日もお疲れさまです。 アートとは、何らかの形で人々に “非日常” を与える行為です。 “非日常” を与えるということは、非日常の世界に人々を “招待する” ことです。 つまり、アートを鑑賞することで、人々は “非日常の空間” に “入る” わけです。 綺麗な絵…

絵画と彫刻の境界

今日もお疲れさまです。 絵画と彫刻の違い、は何でしょうか。 「立体かどうか」でしょうか。 だとしたら、極めて両者の違いは曖昧です。 絵画にはコラージュという技法があり、立体物をはることが可能です。 立体が貼られた絵画は、もはや立体です。 厳密に…

現代アートは、嗜好品で良いのか

今日もお疲れさまです。 現代アートは、様々な作品が玉石混交で存在しているのが魅力です。 多くの作品の中で、世界の先端で認められている作品は、「これまでに存在しなかった作品」です。 これまでにない、新しい “見えかた” を提示している作品が評価され…

逆に、“食事の空間” に合わなそうな作品の条件

今日もお疲れさまです。 前回のエントリーでは、食事の場に合いそうなアーティストの作品を、アトレスの独断で検討してみました。 今回は、逆に “食事の場” に合わなそうなアーティストの作品は、どのようなものでしょう。 ただし、「“食事の場” 合わない」…

“食事の空間” に合いそうなアーティストの作品

今日もお疲れさまです。 アート作品は、美術館だけでなく、日常のあらゆる場所に展示されています。 企業の応接室、公園、ホテル、空港、などなど。 そうした場所の中で、“飲食する場所” にも、アートは展示されていますよね。 カフェなどは、喉を軽く潤した…

安易に “大胆なライン” を使ってはいけない理由

今日もお疲れさまです。シャープでキレのあるラインや、大きな面と面がぶつかるライン。絵を描いている中で、そうした “大胆なライン” を用いた作品を見ると、憧れることがあります。「自分もあんな風に “カッコいい線” を使って絵を描きたい」と。しかも、…

人はみな、非現実を生きている

今日もお疲れさまです。 世の中は、“非現実” に溢れています。 映画、小説、音楽、ゲーム、マンガ、テレビ…。 そこには現実にない、非日常が描かれることがしばしばです。 そして、“非現実であること” がルールですらあります。 つまり、現代文化の多くには…

現代に “孤高の芸術家” は通用するか

今日もお疲れさまです。 孤独は人を強くする、と云います。 では、孤独は作品を強くする、でしょうか。 確かに孤独を知ることは、「人の大切さ」を知ることになります。 「人の大切さ」を知れば、人をテーマにしたり、豊かに人を描けるでしょう。 だからと言…

描き込んで、失われるもの

今日もお疲れさまです。 絵画指導の現場では、“描き込み” を指導されます。 なぜなら、デッサンにおいては、モチーフの “正確” な描写が必要だからです。 モチーフを “正確” に描こうとすればするほど、描き込むことになります。 しかし、描き込みが必要と “…

「ヨコハマトリエンナーレ 2014」で見つけた3つの星

今日もお疲れさまです。 前回のエントリーで『ヨコハマトリエンナーレ2015』の全体の印象を書きました。 今回は、その中で特にインパクトの大きかった三名のアーティストをピックアップさせて頂きます。 一人目。 タリン・サイモンさん 写真を展示のメインと…

「ヨコハマトリエンナーレ 2014」の印象

今日もお疲れさまです。 「ヨコハマトリエンナーレ 2014」に行きました。 文字通り、この展覧会は横浜で開催される国際展です。 「トリエンナーレ」の名がつく通り、“三年に一度” 開催されています。 ちなみにアトレスは2005年の第二回、2009年の第三回を見…

“長所を伸ばす” の落し穴

今日もお疲れさまです。 日本教育が語られる時に、よく聞く言葉があります。 それは、 「苦手なモノを克服させるのではなく、得意なモノを伸ばすべき」 という趣旨のフレーズです。 確かに得意なモノを見つけるのは重要です。 得意なモノを見つけ、磨きをか…

美術史上ナンバー1の “インパクト作品”

今日もお疲れさまです。 これまで、いろんなアート作品を見てきて、様々な作品に出会いました。 その中でも、見た時に “インパクトが大きかった作品” は、アートの歴史においても、その役割が小さくないように思えます。 フランシス・ベーコンの人物画、ダミ…

サイズメリットの “盲点”

今日もお疲れさまです。 アート作品において、作品のサイズは重要な意味を持ちます。 人物画一つとっても、キャンバスF0号サイズに小人サイズに描くのと、キャンバスF100号サイズに人物実寸大に描くのとでは意味が違います。 キャンバス0号サイズに描か…

混んだ美術館での整列

今日もお疲れさまです。 美術館は、行く時期や曜日、時間帯によって、混み具合に差があります。 アトレスは美術館にいくとき、極力混む時期を避けるようにしています。 それでも、「人気の美術館」や「人気の展覧会」では、どうあがいても混んでいることがあ…

絵画学習の初心者は、“描きたいモチーフ” を探そう

今日もお疲れさまです。 絵画初心者は、基礎を学ぶために相応しいモチーフを学習します。 立方体や球の石膏、円柱型のトイレットペーパー、などあらゆるモチーフの基礎となるシンプルなモチーフを描いていきます。 初心者は “学ぶ側の立場” であるため、自分…

歴史に残る写実主義

今日もお疲れさまです。 アートには、昔も今も『写実主義』が存在します。 古くは、フランソワ・ミレー『落穂拾い』が有名ですね。 農村をモチーフに “庶民の生活” を初めて『絵画作品』とした作品です。 それから後は、多くの “写実主義” 作品が世に出るわ…

“アートブック” は捨てられない

今日もお疲れさまです。現代は、多くのものがデータ化されています。中でも、iPadやKindleによる書籍データ化の流れは、年々増えています。アトレスも本を読みますが、悩みは “溜まっていくこと” です。いつ読み返すかわからない本が、だんだんと増えていく…

ポートフォリオの編集方法は、“2つ” 持つべき

今日もお疲れさまです。 アート作品の制作活動を続けていると、自分の作品が蓄積されてきます。 作品が蓄積されてくると、ある段階で “ポートフォリオ” をつくるべきです。 自分の作品集を持っておくことで、誰かにアドバイスをもらったり、自分の作品を比較…

“モノトーン” で制作する場合の条件

今日もお疲れさまです。 アート作品には、色のない、“モノトーン作品” が存在します。 “モノトーン作品” は、“クール” でカッコいい印象があります。 しかし、本来アート作品には、テーマの核心に少しでも迫るため、“色彩” を用いるのが一般的です。 「印象…

“西欧式コンセプトアート” に負けるのは、悪いことか

今日もお疲れさまです。世界の現代アートにおいて、“コンセプト” の強さは、作品の評価を左右する大きな要素です。以前のエントリーでも、その重要性を書きました。“日本のアートの問題点は、作品にコンセプトがないこと” こうした趣旨の批判は、村上隆さん…

未完成による完成

今日もお疲れさまです。前回のエントリーでは、様々な要素での様々な完成度があることを書きました。しかし逆にアートで面白いのは、“完成していなくても” 完成する作品がある、ということです。たとえば、首の失われた『サモトラケのニケ』腕の失われた『ミ…

様々な要素で、様々な完成度がある

今日もお疲れさまです。美術の授業や講義で、絵画などの制作を手がける時、先生や指導者が、「完成度が低い」「完成していない」とコメントすることがあります。このコメントは非常に “便利” です。“便利” であるがゆえに、使用には注意が必要です。以前のエ…

“制作仲間” の条件

今日もお疲れさまです。 長い年月、制作活動を続けて行くには、“協力者” が必要です。 身近な家族、友人、作品の支持者、指導者など。 協力者の応援やアドバイスは、制作活動の励みになります。 中でも、制作活動を続けていくのに強力な力となってくれるのは…