Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

プロアーティストとアマアーティストの違い

今日もお疲れさまです。

アーティストになりたい、と希望して活動する人は多くいると思います。
“なりたい” と思うということは、勝手になれないということを、自覚しているということです。
“アーティストになりたい” と希望している人は、「私はアーティストです」といえる基準があり、その基準を満たそうと活動しているのです。

この「私はアーティストです」の基準を、あえて検討したいと思います。

基準を満たした人をプロアーティスト、基準を満たしていない人を“アマアーティスト” で分けるなら、その違いは何でしょうか。

まず、プロとアマと聞いて思い浮かぶ違いを、以下にざっと挙げてみます。

・技術の差
・作品が売れているか
・知名度があるか


まず、「技術の差」。
確かにプロアーティストは、技術をしっかり持っていそうです。
しかし、技術がプロとアマを分けることにはなりません。
技術の定義があいまい、ということもありますが、
たとえば、写実的に描くのが技術を持っていると定義するなら、アマにも技術を持っている人は大勢います。


では、「作品の売れているかどうか」でしょうか。
これは非常に正解に近いのですが、説明として足りていません。
仮に、売り上げでプロとアマを分けるとしたら、1年間の売り上げなのか、5年間の売り上げなのか、基準の設け方が必要となってしまいます。
誰がその基準を決めてくれるのでしょうか。
アトレスが決めて良いなら、アーティストの国籍の国の平均年収以上に設定します。


最後に「知名度があるか」です。
これも、実に境界があいまいですね。ゴルフの大会で最年少優勝を果たした石川遼さんは、当時アマチュアでした。フィギュアスケートの浅田真央さんも現在アマチュアです。


では、何がプロとアマを分ける基準でしょうか。

それは、
“満たすべきマーケットを持っているか” です。

いくら優れた技術の作品をつくっても、作品が求められるマーケットがなければ、作品は宙に浮いてしまいます。
個々人の作品レベルとか、作風とか、そういったものは関係ありません。
作品を供給するマーケットがあり、そのマーケットに作品を供給している人が、プロのアーティストなのです。

そのため、プロのアーティストは自分が作品を供給するマーケットに対し、責任ある作品を供給しなくてはいけません。
作風を思いっきり変更したいのであれば、相当な覚悟が必要ですし、簡単に作風を変えることは許されないのです。なぜなら、常に自分のマーケットを失うリスクを背負っているからです。

一方、アマアーティストはマーケットを背負っていないため、自由です。
好きなものを描き、作風を気分で変えるのも自由です。
マーケットを背負っていない、ということは気楽で自由に制作を楽しむことができるのです。
だから、アート作品をつくる人は無理にアーティストを目指す必要はないのです。

それに対しプロのアーティストが、マーケットを背負うことについて、辛そうに見えるかもしれませんが、それがアートの醍醐味でもあります。

いつの時代もアーティストは、作品をマーケットに供給しながら、新しい試みを続けているのです。


では、何かあれば教えてね!