Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

デッサンで形が狂ったことに気づいた時の、リカバリー方法

今日もお疲れさまです。

 
絵画を学習中の人にとって、デッサンとは目の前のモチーフを正確に写し取ることが目的です。
 
その目的の達成のためには、目の前のモチーフと絵の中のモチーフの形を合わせなせくてはいけません。
もちろん、モチーフを正確に写し取るには、形以外にも合わせる要素はあります。
しかし、形が合っていないことの違和感は、ぱっと見で一番目立ってしまうため、まず形を合わせることに注力しなくてはならないのです。
 
 
形を合わせていくのには、いくつかのコツがあります。
 
今回は、一枚のデッサンをある程度描き進めたのち、 “形が狂っている” ことに気づいた場合のリカバリー方法を書きます。
 
 
まず、デッサンを描き進める時、描いた線が一回でピッタリとモチーフと一致することは、ほぼありません。
基本的にデッサンを描き進めることは、“形が合っていない線を増やす行為” なのです。
 
ではなぜ、ピッタリと一致した線が掛けないのに、モチーフの形とデッサンの形を一致させることができるのでしょうか。
 
それは、何本か適当に描いた線の中から、“もっともモチーフと一致している線” を残しているからです。
“線の「取捨選択行為」” を繰り返すことで、モチーフの形とデッサンの形は一致していくのです。
 
 
とはいえ、“線の「取捨選択行為」” を実施できても、やはり描き進めると、形は狂っていくものです。
時に、その形の狂いは大きなものになってしまいます。
 
そんな大幅な形の狂いに気づいた時に、やってはいけない対応があります。
 
それは、“形の狂った箇所を丸ごと消す” 行為です。
 
この行為をしてしまうと、負のスパイラルにはまります。
「せっかく描いたのに消さなきゃいけなくなった」
「また最初から形を取り直さなくちゃいけない」
 
など、気持ちは真っ暗になってしまいます。
そもそも、「形が狂っていれば消す」という行為は、オールorナッシングです。
合うか、合わないか、ではギャンブルを繰り返すことに近いのです。
 
では大幅に形が狂っていることに気づいたらどうするか。
 
その場合は、
“ 形が狂っている箇所はそのまま残して、合っていると思う線を描く”
です。
 
「それだと、間違えてる箇所と新しい線が一緒になって分かりづらい」
と思うかもしれません。
 
しかし、逆なのです。
間違えてる箇所が残っているから、訂正がスムーズになるのです。
なぜなら、間違えている箇所が、訂正の基準になるからです。
 
「今描いてあるコップは把手が少し小さい。今の把手より一回り大きくしよう」
「今描いてあるテーブルの直線は角度が急になっている。今より10°ほど緩やかにしよう」
 
上記の判断は、いずれも「間違えている箇所」がないと訂正ができません。
「間違えている箇所」を基準にすることで、訂正がスムーズに進むのです。
 
失敗した箇所は、そのあとのリカバリーの土台になることを忘れず、めげずに完成を目指しましょう。
 
 
では、何かあれば教えてね!