Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

「花」を描く目的の違い

今日もお疲れ様です。

 

絵の描き手によって、同じ「花」というモチーフでも、まったく異なる目的を持っています。

特に初心者の方は特に、この違いがわからないまま「花」を描いている場合が多いでしょう。

 

では、目的の違いにどのようなものがあるでしょうか。

主に以下の4点に集約されます。

 

(1)花の綺麗さを絵で再現する

(2)室内に飾る絵として花を描く

(3)花をテーマの象徴として描く

(4)花の造形を表現に利用する

 

まず(1)です。

これは、ご想像できるかと思います。

綺麗な花を見て、「絵に綺麗さを再現したい」「絵として美しさを残したい」などの目的で花の絵を描くことです。

 

 

次に(2)です。

これも、ご想像できますね。

喫茶店や自宅のリビングなどに飾られてある「花の絵」を見たことがあるでしょう。

花は枯れてしまうため、取り換えなければいけません。

しかし、部屋の壁に美しく映える「花の絵」は、飾っている間はずっと部屋に彩りを与え続けます。

 

 

(3)です。

これもなんとなくご想像ができるかと思います。

「花」は、テーマを表現するためのキャストとして使用します。

尾形光琳の『紅白梅図屏風』などが有名ですね。

 

 

最後に(4)です。

これは、なかなか初心者の方には理解し難い目的だと思います。

(3)の象徴とも違う次元で、「花」をキャストにしています。

 

たとえば、多色を要する視覚効果や、装飾的表現を取り入れるのに、「花」が適役となる場合です。

ベアトリス・ミリャーゼスさん、村上隆さん、写真ですが蜷川実花さん、など多くのアーティストが(4)の目的で「花」をあつかっています。

 

 

いかがでしょうか。

 

どれを目的にするのが “正解” ということではありません。

大切なのは、同じモチーフを描くのでも、

“様々な表現の選択肢を与えられている” ということを知ることです。

もちろん、先ほど挙げました(1)~(4)のそれぞの中にも、色々な表現があります。

 

“表現の選択肢が多い” ということは、描き手に選択がゆだねられ、描き手は “能動的” に制作に取り組むことができます。

能動的に制作に取り掛かる意識を持ち、制作を楽しむことが、最も大切なことなのです。

 

 

では、何かあれば教えてね!