Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

自分だけの質感、を持つ意識

今日もお疲れさまです。

 
前回のエントリーで “最終的な支持体” という考え方を書きました。
 
最終的な支持体には、様々な種類があります。
前回のエントリーのように、アクリル絵具や油絵具など、最終的に画面全体を塗った “素材” だけではありません。
“描写そのもの” も、“最終的な支持体” に影響するのです。
 
 
絵画には、マチエール(絵画や彫刻の表面の質感)があります。
このマチエールを形成するのは、描写です。
 
筆に油絵具をたっぷりとつけて画面に描写すると、絵の表面に油絵具の凸凹ができます。
その凸凹がマチエールです。
描写はマチエールを形成し、“最終的な支持体” は油絵具とマチエールの二つの要素で成立するのです。
 
 
たとえば、ゴッホの作品のほとんどは、キャンバスに油絵具で描かれています。
 
そのため、“正式な支持体” はキャンバスで、“最終的な支持体” は油絵具です。
 
しかし、あの中筆でもりもりと痕跡を残すマチエールも、最終的な支持体となっています。
なぜなら、タッチそのものが凹凸をもち、“独特の質感” を形成しているからです。
 
 
こうした「画面を覆う素材」×「描写」の組み合わせで、無限に“独特の質感” を形成することが可能です。
 
現代アートの作品として魅力を持たせるのでしたら、“独特の質感” が必要になります。
また、現代アートとしての作品を意識しなくても、“独特の質感” は絵画に魅力を持たせます。
 
作品のテーマや表現したい内容を吟味しながら、絵画に “独特の質感” を持たせましょう。
 
 
では、何かあれば教えてね!