Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

“ジツブツ” を見なくてはならない理由

今日もお疲れ様です。

 

アーティストを目指す人やアートを勉強する人に対して、アート業界関係者や美術教育の指導者が口をそろえて言うことがあります。

 

「実物の作品をたくさん見たほうがいい」というコメントです。

確かにその通りです。実物を見ることで、多くの貴重な情報を得ることができます。

 

しかし、いざアート作品の本物を見るには、重い腰を上げる必要があります。

美術館やギャラリーに行くのには、移動しなくてはいけませんし、お金もかかります。

 

そこで、実物を見たくなる、“具体的なメリット” を知っておく必要ががあるのです。

 

実物を見るメリットは、様々あります。

“実物から学ぶ” ことが目的であれば、一番大きなメリットは、

 

 “優れた作品は何を必要とし、何を必要としてないかがわかる” 

です。

 

たとえば、作品の細部の処理がわかります。

「こんな端のモチーフまで描き込まなきゃいけないんだ」とか

「図版だと繊細に見えたけど、荒々しいタッチだな」

など、画面内のケースバイケースでの “手の入れ方” を観察することができます。

 

絵画の “外” のことも見ることができます。

「展示室の照明と作品の関係」

「テーマやモチーフに対するキャンバスのサイズ」

「キャンバスの側面の設定」

これら絵画周辺の情報は、印刷物ではフォローできない領域です。

 

実物を見に行けば、様々な要素において、作品に何が必要かがわかるのです。

印刷物や画像データで見てきたものと比べ、ギャップを理解することも大きいのです。

 

また、何より重要なのは、実物の作品が放つパワーを感じるができます。

作品としての表現レベルが高いからこそ、“パワーがある” わけですが、「作品にはパワーを持たさなくてはならない」ことが直感的にわかるようになります。

特に、ジム・ダインさんやサイ・トゥオンブリーらの作品が持つパワーは、印刷物では到底感じることはできません。

 

ぜひ積極的に実物を見て、プロフェッショナルの作品要素を学びましょう。

 

 

では、何かあれば教えてね!