Atlessのアトラス

アート中心に思考したことを書いています。Atless GALLERYで作品を常設展示中。

作品の “検証” が必要な理由

今日もお疲れさまです。

アート作品を徹底的に良くしていきたい場合、“作品の検証” が不可欠です。
検証により、次の作品に向け、“良い手” “悪い手” を検討できます。

その検討が、良い作品を生む確率を高めます。


たとえば、陸上部の短距離選手がいたとします。

選手としては当然、“タイムを上げる” ことが至上命題ですよね。
アーティストが “より良い作品を手がける” ことが至上命題なのと同じです。

タイムを上げるために選手がすることは何か。

それは、現状の自分の走り、そして過去の自分の走り、を “検証” することです。

“検証” するには、「過去の自分の走り」の “記録” が必要です。
“記憶” ではなく、“記録” です。

「過去の自分の走り」を撮った動画、フォームの写真、練習や試合のタイムの記録、コーチによる客観的な分析、他の選手との比較。

様々な “過去からの素材” を集めて、「過去の自分の走り」を検証します。

決して、選手本人の“感覚まかせ” ではないのです。


ではアーティストはどうでしょうか。
短距離の選手と同様に、「過去の自分の走り」を検証しているでしょうか。

実施しているアーティストはかなり少ないと思われます。
なぜなら、アートは “精神” や “感覚” を重んじる傾向があるからです。

もちろん、“精神” から湧き出る “感覚” が傑作の要因となることはあります。
しかしそれだけを頼りにしてしまうと、“感覚の記憶” に頼りきることになります。

人間の記憶力はすごいポテンシャルがあります。
しかし、記憶は曖昧さをともなうのも事実です。

さらに、アート作品の傑作は、“複合的な要素” が重なってできるものです。
感覚の記憶だけで、“複合的な要素” をすべて再現するのは、きわめて困難なのです。

作品制作をその場その場で楽しむことも、もちろん素晴らしいことです。

しかし、“次” を意識することは “未来” を意識することです。
“次” を意識するために、過去や現状を分析する。

その分析が、未来の制作への “わくわく” につながるのです。


では、何かあれば教えてね!